
この出来事は17日に起こりました。
オバマ米大統領は、インディアナ州のキリスト教カトリック系のノートルダム大学の卒業式で講演しました。
その講演の最中で「子供たちを殺すのをやめろ」というヤジがとんだほか、式典を欠席する卒業生もいたとAP通信は伝えています。
オバマ大統領は、妊娠中絶やES細胞の研究を支持していますが、それはキリスト教原理主義者(福音派など)が強く反対していことなのです。
このキリスト教福音派はアメリカ国内に8000万人いるとされており、ブッシュ前アメリカ大統領の支持母体でありました。
8000万人というとアメリカ国民の30%程にあたるわけですから相当な規模ですよね。
結果として、アメリカの州立高校の8割はダーウィンが説いた進化論も教えないそうです。
そして、キリスト教福音派などは中絶にも強く反対しています。
そもそも婚前交渉を反対していますし、コンドーム教育も反対です。
アメリカでは、中絶手術をする産婦人科が毎年殺されています。
レイプされたと少女が妊娠してしまっても中絶させないという偏ったキリスト教原理主義者も存在しているのです。
それ程、中絶論議は根深い問題なのです。
オバマ大統領が、ノートルダム大学の卒業式に出席することは、もともと、大学内やカトリック教会のなかでも強い異論があったそうなので、野次も起こるべくして起こったと言えるでしょう。
オバマ大統領は講演で「(中絶賛成、反対の)2つの陣営の考え方は融和しがたいところがある」と、中絶問題の困難さを認め、そのうえで「望まない妊娠によって中絶を望む女性たちの数を減らするほか、女性たちの支援のために協力して取り組もう」と呼びかけました。
卒業生の多くはオバマ大統領の出席を歓迎し、ヤジが飛ぶと大統領の選挙戦のうたい文句ともなった「イエス・ウィ・キャン」(そうだ、われわれはできるんだ)を唱えたそうですが、
一方で、ノートルダム大学の校門では300人以上が大統領の訪問を反対する集会を行い、約30人が逮捕されたそうです。
先ほど説明したように、このような事態が生じるのは予測ができたはずです。
では何故オバマ大統領は、トラブルが発生することを承知で、このような講演会を実施したのでしょうか?
それは、オバマ大統領がカトリック教徒の支持を重視しているためだと言われています。
昨年のアメリカ大統領選挙でも、副大統領候補にカトリック教徒のバイデン氏を選びました。この人選はカトリック教徒対策だとも言われています。
実際、選挙後の出口調査によると、イデオロギーが異なるはずのオバマ大統領ですが、カトリック教徒の54%から支持を受けたのです。


